2007年04月11日

探索手記 -二十一日目-

妙に体の長いその犬は、「ロングダックスフンド」と言った。
「どうしよう動けない」と言いつつも、その長い身体を利用してギリギリと締め付けてくるのはどうかと思う。
そもそもこのロングダックスフンドはどのような体のつくりをしているのだろう。
無駄に長い身体は背骨と肋骨のみで支えられているのだろうか。あるいはそれらに負担が掛からない程度に筋肉が発達しているのか。
…この辺は腑分けのスペシャリストであるエニシダさんの領分な気がする。後で聞いてみるとしよう。

少し余裕があったので、今後の修練計画を立てる事にした。
情報を纏めた本を片手に、今の私が必要としているものを簡単に羊皮紙に書き出してみる。
まず、今の私に足りないものは自己強化の手段。
今後、装備による強化だけでは不足するだろう。自己強化の手段を構築しなければいけない。
フォウトさんのお陰で短剣の修練はそれなりに進んでいる。これを上手く応用する事が出来れば…そう思い情報を洗い出すと、丁度いい技が見つかった。
音楽のリズムに乗って、自分の行動を最適化する…クイックテンポ。
幸い、私の近くには音楽を得手とする人が居る。彼に一度きちんと師事してみよう。

この島では、匂いのきついものは食べ物として扱われないらしい。
韮然り、そして今日の探索で見つけた大蒜も然り。
材料扱いという事は自然とこれらで武器防具を作る事になるのだけど、そもそもこれらで武器防具を作っても使用に耐えうる物になるのだろうか。
仮に使用に耐えうる物になったとして、匂いがきつい武器防具はどうかと思うのだけど。

匂いといえば、大蒜の匂いはヴァンパイア除けになるという。
メッセージを遣り取りしている人々の中にも、私と同様──いや、私よりも純粋な「ヴァンパイア」と呼ばれる人が居るのだが、彼もやはり大蒜の匂いは苦手なようだった。
私はというと、この匂いに不快感を感じる事は無い。こういう時、自分が本当にヴァンパイアに属する者なのかどうか非常に疑問に思うのだけど、きっとこの辺は個人差なのだろうという事で納得する事にしている。

ちなみに、私は大蒜の芽の大蒜炒めが好物だったりするのだけどそれは関係の無い話。

私自身について、自分で理解している事柄は多分半分も無い…と、思う。
さしあたり生きていく分には問題無いし、探索についても支障が出る事は無い。
ならば、無理に自分の身体について全てを理解する必要は無いだろう。
…いや、一つ問題があった。銀以外の金属について「どれに触れてどれに触れないのか」くらいは理解する必要はありそうだ。
防具を作ってもらう上で金属の選択は大切だ。ローブとはいえ、金属装飾を施したり金属糸を編み込んで強度を上げたりしなければいけない。
銀なんてそうそう簡単には手に入らないし、代替金属を探さなければローブの作成もままならないだろう。

もし銀以外の全てが駄目だったら、泣きながら銀を探す事になるのだけど。
銀を求めるヴァンパイアの図というのはなかなか滑稽かもしれない。
posted by Altair at 12:17| Comment(0) | 探索手記 -第一回探索-
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