2006年12月09日

探索手記 -二日目-

この遺跡はどうやら長期間放置されていたらしく、床が風化してしまっていたり草が生い茂っていたり、といった状況になっている。
さらに、岩山や森林といった自然発生したような地形すらあり、まさに「島そのものが遺跡」といった風情だ。
ここを探索するのは一朝一夕では無理だろう。長期間の計画の元、さらに遺跡外での補給のタイミングなども視野に入れて行動しなければいけない。
出発点は皆同じ。ならば、危険を排して地道に探索するか、あえて危険を承知で先へ進むかの二択になる。
さて、私達はと言うと。
地図と照らし合わせてじっくりと検討した結果、2箇所に行き先を絞る事が出来た。
一箇所は恐らく安全であろう草地、そしてもう1箇所は多少の危険を伴うであろう砂地。
「殆どの人がスルーするだろう北東隅へ行こう」なんて案もあったけど、見事にスルーされた。
ともかく、行き先の候補は2箇所。検討に検討を重ねる。

「草原か、砂地か。どちらが良かろうな」
「砂地は危険だ。安全な草原の方がいい」
「安全だが、実入りは少なかろう」
「──実入り」
「そう、実入りだ。探索をするならば実入りは多い方が良い」
「危険を伴うぞ」
「危険を冒さなければ遺跡探索は行えまいよ」
「しかし」
「危険な場所には相応の見返りがある」
「まだ始まって間もないのだぞ」
「では砂地へはゆかぬのか?」
「ゆかぬとは言っておらん」
「ならばゆくか」
「うむ」
「ゆこう」
「ゆこう」

そういう事になった。



──目的地へと移動する。
同時に遺跡入りした多くの人々と私達は途中で別れ、南へと進路を取った。
砂地の南側、山岳地帯が目に入る場所。そこが目的地だ。
道中は何事も無く、無事辿り着いてキャンプを張る。
一息ついてあたりを見回すと、ちらほらと私達のような人々が目に入った。
なるほど、どうやら考える事は皆似たようなものらしい。

ふ、と。

視界に何かが入った。
人ではない、何か。
探索者の中には、見た目からして人・亜人ではない者も混じっている。
しかし、これは「そういうもの」ではなかった。
本能と敵意。明確すぎる気配。

蠍や百足といった生物が蠢いているのが見えた。
posted by Altair at 17:40| Comment(0) | 探索手記 -第一回探索-
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