どうにかエルタ=ブレイアを脱出する事が出来、招待状の示すままにこの島へとやって来た。
この招待状に対する疑問は多々残る。
招待状の送り主は誰なのか。
何故遺跡を出ると財宝が消え、宝玉があれば消えない事を知っているのか。
そもそも、あの閉鎖空間にどうやって招待状を届ける事が出来たのか。
送り主には何か狙いがあるのだろうか。それとも、ただの酔狂なのか。
どちらにしろ、この島の遺跡を探索していれば何らかのアクションはあるだろう。
それが罠であるにしろ、酔狂であるにしろ、私はここを探索するだけだ。エルタの地に残してきた「相棒」の為にも。
島の遺跡周辺には、私と同じく招待状を受け取ってやってきたであろう人々がごった返している。
その中には、エルタの地でマナハンターとして「争奪戦」を行った人も居た。
エルタの地においては日々常に争奪戦。誰かと争い、誰かの持つマナを奪い、また奪われて生活する。
強者は多くのマナを得てさらに強くなり、弱者はただ奪われて行く。殺伐とした、空間。
ここではそのような生活にならないことを願いたい。
その他にも見知った顔がちらほらとあった。
「竜王と邪竜の物語」の地で、共に戦い語らった人や、またその人々の子供達。
彼の地で私は魔法を封じられ、止むを得ず弓を取って戦った。
あの人たちは、「本来の私」を見ていない。驚くだろうか。
できれば、彼らとは戦いたくない。
…と、思っていたらその中の一人と行動を共にする事になった。
彼の御両親はよく知っている。東方の「刀」を愛用し、身軽さを身上とする剣客だ。
得手は弓だそうだが、心強い事には変わりない。
そしてもう一人、行動を共にすることになったのは「自動人形」と呼ばれる存在。
少なくとも私はそのような存在を見た事が無い。失われた技術の産物なのだろう。
どのような存在であろうと自意識があり、自立思考が可能で、意思の疎通を図る事が出来るならば問題など無い。
共に戦い、新たな物を得る事には変わりないのだから。
私自身は、長く魔法を使っていなかったせいで恐らく暫くはまともな術が発動できないだろう。
この二人の足を引っ張らないようにしなくては。
他にも、気の合った人は居た。
東洋の服を着た渋い人、綺麗な銀の髪の短剣使い、歩行雑草と呼ばれる女の子、青玉色の瞳を持つ子、私と同じ匂いを漂わせるハーフエルフ、私と同じく魔術を得手とするお兄さん。
それに私と行動を共にする2人の合わせて9人で固まって動く事になりそうだ。
人数は多いに越した事が無い。探索をする上で、手数は多ければ多いほど有利だ。
相互の話し合いも終わっている。あとは、実際に動くだけ。
果たして、この遺跡で何が起こるのか。
楽しみだ。
2006年12月09日
探索手記 -一日目-
posted by Altair at 17:38| Comment(0)
| 探索手記 -第一回探索-
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